John Dillemuth Exhibition,"Reconfigured"
ジョン ディレマス展「Reconfigured―変容―」

2011年7月12日(火)〜7月24日(日) 12:00〜18:00 水金は休廊



最近は樹皮を剥がした木の枝で組み立てた骨組みに、装飾的な模様の布を覆い、双方向的で動きのある「仕掛け」を制作している。ほとんど布だけを使った作品を制作したのは、今回が初めてだ。このために選んだ布は、日常生活でよく目にする下着や、パジャマ、あるいは、タオルのように、直接身に纏ったり、体を拭ったり乾かしたりするものである。作品に使用した布は身体を想像させたり暗示したりする非常に私的なものである。この「仕掛け」では、それとなく遊戯性と性的な内容を匂わせた。また、ほかにインスタレーションではポップイメージや布の柄を作品の一部として取り込んでいる。

この展覧会では、いくつものテーマを盛り込んでそれぞれ異なったインスタレーションの形をとった。素材である衣類の形やテクスチャーから身体問題を取り上げているのは明らかだろう。観客は衣類(作品)に触れ、感じ、楽しみながら参加し、対話できる。また作品に設けられた管や穴は、子供が隠れたり覗いたり、覗き趣味の人が身を潜めたりすることも考えられる。そこには、公的スペース対私的スペースという、もうひとつのテーマがある。このインスタレーションは公のスペースであるギャラリーで非常に私的な衣類(下着)を取り上げていることから、ある意味露出症的ともいえる。一般にアートとして不適切な内容と考えられるものをも展示している。しかし、いろいろな方法で素材を駆使し、猥雑で淫らなイメージなど微塵もないかのように装った。観客が作品に手や体を触れるだけでなく、参加することで楽しく時間を過ごして欲しい。

ジョン ディレマス




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