Untitled 1103
南野 馨 MINAMINO
Kaoru
●会場/KAJIKASOU 
 

高性能なものは美しい。
自然から生み出されたものでも人の作りだしたものでも、必要な機能を得るために最適化されたものは美しい。
私のやきものは鑑賞のためにのみ存在する。
本質的に私のやきものには機能がない。
だが、高性能なやきものでありたい。
予備知識も持たずに私の作品に接する観者は最初はとまどう事と想像される。
「これはなんだ?」「なにかの装置か?」「何で出来ているんだ?」
(可能なかぎり)近ずいてみると、”陶”だと知れる。 さらに触れてみると親しんだ素材であることを確認出来る。
しかしおそらく疑問は解決できない。
作者にも万人に理解して貰える言語が無い。
空間によって様々な理解を生むと想像される。
しかしこれはなにか高性能な物であると理解されたい。

本質的に現在の私の作品は「場所」に依存してはいない。どのような場所にどのように設置されても作品そのものが変質することはない。「場所」を意識して制作されなかった私の作品が、本展に於いてどのように作用するのかは作者自身にもわからない。
北摂で生まれ育ち、幼い頃から馴染み深い場所であった「箕面の森」で私の作品がどのように機能するかは不明だが、「見たことのない光景」だが、なにか「見たことのある光景」を期待して展示に臨んで見たい。

 


 
   




略歴
1966 大阪府生まれ
1989 大阪芸術大学芸術学部工芸学科卒業

個展
ギャラリー白、ギャラリー白3、ギャラリー白 kuro、芝田町画廊、
INAXガレリアセラミカ、INAXライブミュージアム 世界のタイル博物館
他多数

主なグループ展
1994 近作展17-クレイワークの4人展(国立国際美術館:大阪)
2010 アーティスト・ファイル2010-現代の作家たち(国立新美術館:東京)
 六本木アートナイト2010(国立新美術館:東京)
2015 Erosion/Transfiguration-侵蝕と変容の先の関係性へ-(瑞雲庵:京都)
 コレクション展 2015-夏(和歌山県立近代美術館:和歌山)
 箕面の森アートウォーク2015(箕面温泉ゆずるの足湯:大阪)
2016 BIWAKOビエンナーレ2016(近江八幡旧市街一帯:滋賀)
2017 第12回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム:三重)
他多数


 
「Untitled 1501」 2015 H1500×W1850×D1850mm 陶
(ギャラリー白:大阪)(撮影 南野馨)


「Untitled 1401」 2015 H500×W500×D500mm 陶 
(箕面の森アートウォーク2015 ゆずるの足湯)(撮影 南野馨)



「Untitled 1401」 2016 H1850×W1950×D1950mm 陶 
(ギャラリー白:大阪)(撮影 南野馨)