<facebookを使ったパフォーマンス>

「箕面の森アートウォーク2013 PRELUDE」(中谷徹、酒井俊明)
 

FB上で「箕面の森アートウォーク2013」のプリルード(前奏曲)を奏でる。
これは、不特定多数のユーザーの参加による実験的な作品(ビジュアルアート)制作の試みである。

「箕面」というスレッドを立てることによって、あるユーザーが、その知見や巷に流布されている情報を、文字、画像、動画など様々な方法で投稿し、それに誘発されて興味を持ったフォロワーが共有したりタグ付けしたりしてFBページ上に、そのイメージや言葉のやり取りを連鎖的に集積する。ユーザーとユーザーの双方向的な関係によって生じた多様な視点から、生まれる「箕面のコンテンツ」は増殖し蓄積される。しかし、そのイメージや言葉は時間とともにページ上から消え、また生まれる。「箕面川・大滝」のイメージの視覚化でありコミュニティの構築である。

従来の参加型の作品ではなくインターネットという媒体で、ある特定のノードをリンクし、コミュニケーションを通して他の主体者との関係や結びつきによるより間主体的な芸術作品を企図している。

ある特定の個人が芸術作品を制作するのではなく不特定多数の日常の生活意識、行動が作品の一部を担うことになる。FB上の箕面コミュニティに参加(投稿)することにより誰もがアーティストになれる。テーマは「箕面」、「箕面大滝」、「箕面川」、「明治の森」さらには、その周辺の事象にまで広がってよい。もっと言えば、そこから「滝」、「渓流」、「森林」にまで一般化してもよいだろう。一人ひとりのユーザーが、FBページに投稿することにより、人々が抱いている「箕面」のコンテンツを形あるものにする。それは時間の経過によって作品が完成されるのではなく、人生がそうであるように、時間の経過によって刻々と変化していく、その経過事態が作品である。WEB上のパフォーマンスといえるだろう。 おそらく一面だけからは語られない社会(箕面)の有機的で流動的な一面が浮き彫りにされるのではないだろうか。

来年7月開催予定の「箕面の森アートウォーク2013」のテーマは「つながる視点」である。それぞれのユーザーが持つ視点から投稿された文字、画像、動画はFBページ上でひしめき、時間とともに視界から消え、また新しい情報が生まれる。情報の源泉は「箕面」であるが、時間やユーザーの状況や環境などによって、ページ上に繰り広げられる言葉やイメージは変遷を重ねる。雫がせせらぎに、せせらぎが渓流に、そして大きな流れになり大滝となる。まさに情報の大滝だ。FBページ上で箕面大滝の物語を世界に発信しようではないか。